11月24日(木)エルおおさか3階の交流プラザにて、
18時半から第5回ピアワークサポーターズセミナーが開催されました。
今回は講師にベロ亭のお二人、岩国英子氏と米谷恵子氏をお招きして、
「独創的で自由な働き方」について、絵本や米谷氏の自作詩の朗読などを
交えながら語って頂きました。
参加者は22名と本当に多くの方にお越しいただきました。
会場の雰囲気も終始なごやかで、性質の違うお二人が、交互に思いを語る
かけあい漫才のようなやり取りに、皆さん真剣に聞きながらも笑いあり、
そして涙ありのあっという間の2時間でした。
今回のお話の内容はこの3点です。
1.お互いの長所を活かしながらの生活
2.ベロ亭やきものキャラバン
3.独創的で自由な働き方
1.お互いの長所を活かしながらの生活
二人が出会い、合わせて5人の子供を育てながらの生活の中で、レオ・レオーニの絵本
『フレデリック』を読み、英子さんは恵子さんのことを「彼女はやっぱりフレデリックだ」と
思ったそうです。「人には人の役割があって、それぞれ違うところがある」と英子さんは
言います。また、料理や雪かき、家の改装など二人での生活を通して
「人間できないことがあった方が、お互い助け合える」ということを実感したと話していました。
この話はやきものキャラバンにも繋がっていきます。
2.ベロ亭やきものキャラバン
英子さんがやきものを作り、恵子さんが企画して販売できるシステムを作る。というように
二人で助け合いながら、30年の長きにわたり活動を続けてこられました。
『ベロ亭やきものキャラバン』は「ギャラリーに偉そうに並べるんじゃなくて、人に手にとって
触ってもらいながらじかに売りたい」という英子さんの思いから始められて、既に全国600か所を
まわってこられたそうです。「ネットワークを通じて紹介してもらいながら次々に呼ばれる活動、
その開催先との交渉をするうちにコミュニケーション力がついてきた」と、発達障がいの
当事者である恵子さんは言います。「恵子さんのあらゆるケースを予測した依頼状もあって
よかったと思う」と英子さん。「キャラバンはやきものを売るだけじゃなくて、自分たちの
生き方を伝える表現の場でもあり、つながりを大事にしてネットワークを広げていく場」
とお二人は語っていました。
3.独創的で自由な働き方
「二人で失敗を繰り返しながらクリアしたりできなかったり、自己否定から立ち上がるのが
キャラバンだったりしたんじゃないかな」「メンターを探すとき性別を超えて探しても
いいんじゃないでしょうか。ふさわしい人は男女を問わず探したほうが選択肢広くなりますよね」
と恵子さん。「自分を不器用と思ってる人たちみんなで工房でも作ったらいいんじゃないかって。
不器用は自分の欲求によって消えてしまうようなことなんですよ」
「視点を変えて、働きに行くというやり方だけじゃなく、個人事業でもいいからやれることを
見つけてやっていく方法はあるんじゃないか」と英子さんは話していました。
でも「『独創的で自由な働き方』は決して楽しいことばかりではない」とお二人は言います。
セクシャルマイノリティー・レズビアンマザーとして、そして自死遺族としての側面を抱えながら
様々な困難を乗り越えて続けてきたお二人だからこそ、『独創的で自由』な働き方であり、
生き方になったのだと思います。
セミナーはまず、3年前、37歳で限りなく事故に近い形で命を絶ってしまった娘さん、のえさんの
歌を聴くところから始まりました。それまで18年間音楽活動を続けてこられたのえさん。
のえさんは当時大阪に住み、亡くなる2か月前に自閉症の診断を受けていたそうです。
それぞれが持つ違いや困難を分かち合い、共に人生のメンターとなったお二人、
「人にはそれぞれ違うところがある、それはかけがえのないこと」というメッセージが
お二人の人生観を通して伝わってきた濃密な内容のセミナーでした。
◆
講師であるベロ亭お二人による「プエンテの会・ベロ亭日記」に、
今回のセミナーの話が寄せられています。
また独自にとられたベロ亭側のアンケートで、集計結果を公開しています。
感想などもたくさんあげられていて、とても充実したものになっています。
ご興味のある方は是非ご覧ください!
http://puentenokai.blog26.fc2.com/blog-entry-945.html
11月24日(木) 第5回ピアワークサポーターズセミナー報告
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