2010年9月17日(金)ピアワークミーティング報告

 

9月17日金曜日PM6:30から北新地事務所にて第5回ピアワークミーティングを開催しました。

毎回、新たな参加者の方もいて、ミーティングがサポーター同士の出会いやつながりの場にもなっています。また、テーマに沿った話し合いは、私たちにとって「働きやすい環境」を作るためにどうすればよいのかをより具体的に身近な視点で進められています。

さて、今回は「職場でのカミングアウトについて」をテーマにKJ法を用い8名のサポーターの方々と意見交流しました。

(※KJ法:文化人類学者、川喜多二郎がデータをまとめるために考案した手法。データをカードに記述しカードをグループごとにまとめて図解し論文等にまとめていく)

始めに自己紹介では「職場でのカミングアウト」を経験したことのある方に体験談を語って頂きました。

その中には、カミングアウトしたことで理解が得られ仕事がしやすくなった場合や、また、その反対にいじめの対象になり、退職することになってしまった場合など「カミングアウト」することでメリットとデメリット両方の作用があることがわかりました。

その後のKJ法では、「カミングアウト」したときのメリット・デメリット、しない時のメリット・デメリットをサポーターそれぞれが書き出しそれをもとにみんなで話し合いをしました。

以下、みなさんからのご意見を交えながら報告していきたいと思います。



1、カミングアウトした時のメリット

・周囲が対応や配慮がしやすい

・仲間が増える

・励ましてくれた

・仕事を減らしてくれた

・働きやすくなる

・ジョブコーチが手伝ってくれるかもしれないカモ

・仕事がやりやすくなるかも

・配慮を受けることができるかも

・苦手なことをフォローしてもらえるかも

・隠すことへのうしろめたさを感じなくなる、気分的に解放

・気が楽になる

・自分自身の自覚、できること、できないことがわかる



2、カミングアウトした時のデメリット

・仕事を減らされた

・できることもできないとみなされる

・雇用先が減る

・偏見の目にさらされる

・不当な解雇

・給料が下げられた

・扱いづらい印象を与える

・過剰な配慮

・甘えているといわれる

・言い訳にとられる

・理解者ばかりではないリスク

・チームワーク仕事の原因

等々、カミングアウトした時のメリット・デメリットについて、どちらもほぼ同じ割合で意見が出されました。ここでは、カミングアウトすることは、どちらに出るかわからない不安定さを表しているように

思います。苦手なこと、得意なこと、向き、不向きなどその人がもつ特性は誰にでもあるはず。

自分のできること、できないことを周囲に知ってもらい、また、周囲のできること、できないことを知りカバーし合う、そんな働く環境が増えることで誰にとっても、また、企業にとっても大きなメリットになるのではないでしょうか。



3、カミングアウトしない時のメリット

・少なくとも現状維持

・特に困っていない状況の時は言わなくても支障がない

・努力すればしんどすぎても普通の人

・普通の人として一応扱われるので火も煙も立たない

・一時的な仕事の失敗ならばその点については責められるが普通の人として扱われるので必要以上に責められない



4、カミングアウトしない時のデメリット

・ついていけなくなる

・ストレスがたまる

・プレッシャーがつきまとう

・すごく頑張らないといけない

・みんなにあわせなければならないしんどさがある

・うしろめたさを感じる、自分が苦しくなる

・自分から退職してしまう状況に追い込んでしまう

・自分の特性を言わないから空振りが増える

・給料減らされる

・周りの人からいじめられる

・ミスを責められる

・なまけていると言われる

・仕事が出来なくてクビになる

等々、カミングアウトしない時のメリット・デメリットに対する意見は、メリットよりもデメリットの方が多く出ていました。

この結果から、カミングアウトしない時のメリットを感じている人は少なく、やはり、理解を求めずに仕事を継続していくことの難しさを表しているように思います。

「職場におけるカミングアウト」を、した時、しない時のメリット・デメリット両面から見てきましたが、した方がいいか、しない方がいいかはどちらとも言えません。が、しかし、働きやすい環境を作るためには、やはり、わかってもらう努力は必要なのではないかと思います。

「カミングアウト」を、ただ、診断名を伝えるだけでなく、わかってもらうための方法として、自己を理解し、具体的なサポート内容を伝えることが「カミングアウト」の一つの手法なのではないでしょうか。そして、企業側にも、それを理解しようとする姿勢を求めることも重要だと思います。それには、一人の力では難しいことも多々あると思います。そんな時、私たちサポーターがお互いにお互いのコーディネーター役として支援し合える、そんな関係の基盤づくりも必要なのではないかと思います。



 5、就労に関する全体のお話

・発達障害に対する理解度は低いのが現状

・うつに対しては理解が広がっている

・理解ある企業を探すことと自己理解を平行してやっていかなければならない

・制度、知識を知ったうえでカミングアウトする

・カミングアウトマニュアルあるとよい

・目にみえにくい障害、理解されにくい

・会社側もどう対応してよいのかわからないのでは

・私たちがすること、してもらうべきこと

・誰がいつ解雇されるかわからない時代、社会的問題である

・今の状態を考えながら自分たちのうまくするやり方があるはず!



【参加者アンケートより】

・活発な意見の交流があり、皆の考えもまとまりながら会議をしっかりできたと思う。

 参加をしっかりとして重ね解決と実践を深めたい。

・初めての参加で皆さんの気持ちを聞くことができてよかったです。

 どんなところで困っているのか、少しわかったような気がします。

・八方ふさがりかもな…と思いながら解決策もあるのかな?と考えさせられました。

・職場でカミングアウトするリスクって大きいなぁと感じています。そのなかで、自分を知ることの大切さ、何ができて、どう会社に貢献できるかを伝えられないといけないなと思いました。

今、それが僕の悩みであり、どう克服するかですね。

企業の周知は、それ以上に必要で、ピアワークサポーターの仕事として頑張らなきゃなと思いました。

 今回のミーティングも中身の濃い内容になったのではないかと思います。

「職場でのカミングアウト」については「カミングアウト」そのものの内容や方法を自分流に考えたものを作ってみるのもいいのではないかと思いました。

できないことだけを伝えるのではなく、その時の対応法やできることをセットにして、周囲のサポートを受けやすいような形で、なおかつ、自分を売り込むようなそんな自分流のマニュアルがあるといいのではないかと思いました。

このテーマに関しては第二弾の開催を考えています。体験談やご意見などコメント欄、または、フォーラムにどしどしお寄せ下さい。お待ちしています!

 次回は、10月1日(金)PM6:30~北新地事務所にて、「福祉・介護職で働くには!?」(職種別ミーティング:第1弾)をテーマに開催します。

福祉職・介護職が働く現場は、会社と比べて何か違いがあるのか?あるとすれば、どう違うのか?また、福祉職・介護職は私たちにとって働きやすい職種なのか?などいろいろな角度から現場経験のあるサポーターの方にもご参加いただき話し合いたいと思います。

ご参加お待ちしております!!

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